鳥あるいはDolly

Dollyは人形でクローン羊でロリータ

『いい階段の写真集』

Twitterでみかけて購入した本。というか、たいていの書籍情報はTwitterから得ているので、この文句で始めたらほとんどの本の感想文がこの文句で始まることになるがまあいいか。

中身は、いい階段40選といい階段の見どころの2章が大きな構成。

いい階段40選はほとんどが東京と大阪からで、それぞれ半分ずつくらい紹介されている。たまに愛知と鳥取

レトロでモダンな階段たちは本当に美しい。私は曲線の階段が好きなので、東京文化会館の赤い螺旋階段なんてため息ものだし、綿業会館の木製螺旋階段は踏板の模様がおしゃれすぎる。

おしゃれといえば大丸心斎橋店本館のアールデコはよかった。基本的にアールヌーヴォーが好きなので滑らかな曲線に惹かれやすいけれど、直線でつないだシンメトリーな花模様を黒と茶で縁取って、鈍いベージュの壁面と合わせるのがよい。壁の色が柔らかいと幾何学的な模様もそれほど硬さを感じない気がする。関西に住んでいる間に行って見ておけばよかった。関西はヴォーリズの建築多かったみたいだし。

あとはヤクルト本社ビルのトラス構造階段。シンプルかつどこから見ても美しい。下から眺めて楽しい階段はよい。

そして建物として気になったのがニュー新橋ビルだ。フィボナッチ数列によってピッチが決められているプレキャスト・コンクリートの外観デザイン? 多分アンモナイトの写真とよく重ねられるあれだと思うんだけど、モアレ模様のような外観デザインとやらは一度見てみたい。

 

2章のいい階段の見どころは、手すり、金物、踏板・床板、照明、階数表示、段裏、その他とそれぞれ解説がついている。特に金物は、手すりを支える支柱の隙間を装飾を施して埋めるから、凝ったものは見ていて嬉しい。その他は壁面とか。階段の壁面も触れて楽しい。あと木の手すりも触るべし。

 

というようにこの写真集は階段好きには眼福の一冊であり、この本片手に目当ての階段を巡りたいくらいなのである。階段好きの人にはおすすめ。

いい階段の写真集

いい階段の写真集

  • 作者:BMC
  • パイインターナショナル
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